災害対策編 2013年11月
2013年11月号災害対策編
新東葛病院の災害対策
病院には多くの患者様が入院されており、自力で歩けない方も多い事が、商業施設とは違い病院独自の災害対策の特徴になります。火災ならいかに延焼を防ぎ早く避難できるか、地震では施設の被害を最小限に抑える構造が必要です。
また、災害後も引き続き医療を提供できるよう、ライフライン途絶後も一定期間のエネルギーが必要です。患者様・職員の食料も数日分備蓄が必要です。今回、移転新築に踏み切った大きな要因が3・11の被害です。
東日本大震災で被災した街
河川敷と言う脆弱な地盤に立った、旧耐震構造であるため、施設の破損が発生し、断水に陥りました。さらに計画停電の影響もあり通常診療にも支障が出る事態となりました。
このため、新病院では災害発生時も医療を継続できることに主眼を置いています。耐震構造で、震度7の地震でも倒壊せず、水の確保も井水と併用し、大型の発電機を設置し燃料の備蓄量も増やし、停電時でもCT等大型の医療機器まで使用できるよう考えているところです。
震災直後の院内
防火面でも設計段階から被害を最小限に食い止められるよう考えています。特に夜間は入院患者数に比べて勤務者数が少ないため、いかに初期の段階で発見し、延焼を防げるかが重要です。防火素材を使用し、構造上消防基準以上の防火施設配備を計画しています。また、災害避難訓練を行い全職員が対応できるよう教育しています。
災害発生時には一医療機関だけでは困難な事態が想定されます。医薬品や食料品の備蓄は、関連業者との連携も強化しています。また、今年度新たに設置された流山市防災医療協議会にも参加し、行政と共に災害対策、防災計画も作成しています。新病院が災害時の拠点として機能が発揮できるよう努力しています。
東葛病院
副事務長 小池 洋一
※(注)こちらの記事は、過去の東葛の健康に掲載された記事に、若干の修正を加え再掲したものです。
現在の状況とは変更がある場合がございますがご了承ください。